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産業革命以降の化石燃料使用の歴史

化石燃料が使われるようになったのはなぜ

経済規模が今よりも小さかった時代はエネルギー需要は低く、経済規模が拡大するにつれて化石燃料の使用が増え続けています。このことから、エネルギー需要と経済成長に比例関係が見られます。

(注)「総合エネルギー統計」では、1990年度以降、数値の算出方法が変更されている。

(出所)資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」、内閣府「国民経済計算年報」をもとに作成

(出典)エネルギー白書 2009

18世紀の産業革命以降、私たちは経済活動を活発にし、生活の快適性を向上させるために、多くの化石燃料を使用してきました。化石燃料とはいうまでもなく、動植物の死がいが地中で圧力や熱を受け、長い年月をかけて変成してできた有機物のうち、人間の経済活動のために使われる燃料のこと。石油、石炭、天然ガスなどがその代表です。化石燃料は当時の人々にとっては夢のエネルギー源でした。例えば、産業革命を象徴する蒸気機関車は、薪や木炭の不足を補うため、早くから燃料源として石炭を使っていました。それは、石炭が地中の比較的浅い場所に豊富に存在し、手間をかけずにそのまま利用することができたからです。日本でも近代工業のエネルギー源として注目した明治新政府が、積極的に石炭鉱山の開発を奨励しました。

19世紀半ば以降は石油が脚光を集めるようになります。当初は灯油など一部に用いられるにすぎなかった石油ですが、19世紀半ばにアメリカで機械掘りによる油井開発が成功したころから、本格的な石油産業がスタートし、その後、自動車•船舶•航空機などの輸送機関や発電、暖房•給湯に至るまで、さまざまな用途の燃料として大量消費されるようになりました。
経済規模が拡大するにつれて、化石燃料の使用は増え続けていきます。それは、近代産業がもたらす新しい文明の象徴でもあったのです。

増え続ける一次エネルギーの使用量

石油•石炭•天然ガスなどの化石燃料や、水力•太陽光などの自然エネルギーや原子力は、一次エネルギーと総称されています。その消費量は、1965年には38億原油換算トン(TOE)だったものが、2007年には111億原油換算トンと、この半世紀を振り返っただけでも大幅に伸びています。
ただし、その伸び方には地域的な差異があります。世界のエネルギー消費に占める先進国(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development 経済協力開発機構諸国)の割合は、1965年には69%あったものが、2007年には50%まで下がりました。これは、先進国では人口の増加率が頭打ちで、また産業構造の変化や、省エネ技術が進んだことで、エネルギー消費の伸び率が鈍化したことが影響しています。
一方、大きな比率を占めるようになったのが、開発途上地域(非OECD諸国)です。経済成長の著しい、中国やその他のアジア諸国、中東諸国などでは、人口増加と工業化の進展などから大幅な増加が今後も続く見込みです。

一次エネルギーの消費量は、世界で1965年には38億石油換算トンだったものが、2007年には111億石油換算トンと大幅に伸びています。

(注)TOEはtonne of oil equivalentの略であり石油換算トンを指す。

(出所)BP, Statistical Review of World Energy 2008をもとに作成

(出典)エネルギー白書 2009

化石燃料に依存する日本

日本は世界のなかでも有数のエネルギー消費国です。国別ではアメリカ、中国、ロシアに次ぐ4位で、世界全体の5%を占めています。国によって消費する一次エネルギーの種類は様々ですが、日本では全体の84%を石油、石炭、天然ガスの化石燃料が占めています。なかでも石油の44%という割合は、主要エネルギー消費国のなかでは、韓国に次いで高いものです。
また、日本は自国にエネルギー資源をほとんど持っておらず、その大半を海外からの輸入に依存しています。日本のエネルギー輸入依存度(原子力除く)は96%に達し、先進国中で最も高くなっています。

図:主要国の一次エネルギー源

(注)%の合計が100に合わないのは四捨五入の関係

(出所)BP統計2008

(出典)エネルギーの基礎

化石燃料の使用量に比例して増える温室効果ガス

地球には、地表からの熱(赤外線)を大気圏の外に放射することで、一定の大気温度を保つ仕組みがあります。ところが、産業活動の結果として、この熱を吸収するCO2(二酸化炭素)•CH4(メタン)• N2O(亜酸化窒素)•フロンなどのガスが増え続けると、大気圏内部の気温が上昇し、地球全体が温室のような状態になると言われています。地球温暖化が心配されるのは、それによって生態系が崩れたり、海水面上昇による海岸線の浸食が起きたりと、将来の人類や環境に大きな悪影響を与えるからです。

日本の温室効果ガス排出量は1993年から1995年にかけて緩やかな増加となりました。1995年以降その量は大きく変化していないため、2006年の温室効果ガス排出量も、京都議定書の規定による基準年に比べて上回っています。

(注)転換、産業、運輸、民生部門は化石燃料を燃焼する際に生じる二酸化炭素。
1:電力•熱に伴う排出量はそれぞれの消費量に応じて最終需要部門に配分(間接排出)。
2:転換、産業、運輸、民生部門で化石燃料の燃焼以外の二酸化炭素及び5ガスの合計。

(出所)GHGインベントリーオフィス

(出典)エネルギー白書 2009

(引用者注)

  1. 転換部門: 石油•石炭等の一次エネルギーを最終エネルギーに転換し供給する発電•石油精製等の部門。
  2. 民生部門: 個人世帯を対象とした家庭部門と、企業•法人を対象とした業務部門(小売業•サービス業などの産業•運輸部門に属さない)を合わせた部門。
  3. 5ガス: 京都議定書で削減が義務づけられている温室効果ガスのうち、CO2(二酸化炭素)を除く、CH4(メタン)、N2O(一酸化二窒素)、HFC類(ハイドロフルオロカーボン類)、PFC類(パーフルオロカーボン類)のこと。

大気中のCO2濃度は産業革命を契機に上昇しはじめ、1900年以降は急速に増加しました。この上昇傾向は化石燃料の使用量に比例しています。そのため、化石燃料の使用を減らし、CO2などの発生を抑えることが、地球温暖化対策の重要な決め手とされるようになりました。1997年の京都議定書など、温室効果ガスの排出を抑えるための国際的な取り組みが始まっています。
京都議定書から10年経った2008年度の日本の温室効果ガスの総排出量は12億8,600万トンに及び、そのうちの9割以上が、化石燃料を燃やす際に生じるCO2です。2007年度の総排出量と比べると、金融危機の影響などもあり6.2%減少しています。しかし、京都議定書の規定による基準年(CO2は1990年度)に比べると、まだ1.9%上回っているのが現状です。

参考文献

(1)国立環境研究所 温室効果ガス排出量
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
(2)電気事業連合会「エネルギーの基礎」
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/pdf/enekiso08_09.pdf
(3)経済産業省「エネルギー白書2009」
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2009/index.htm

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。