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ガスタービン複合発電(GTCC)&石炭ガス化複合発電(IGCC)

ガスタービン複合発電(GTCC)とは

写真:GTCC外観

近年は太陽光や風力などによる新たな発電方法が注目されていますが、現在の電力供給の6割以上は、石油や天然ガス、石炭といった化石燃料を使用する火力発電所によってまかなわれています。これまで火力発電が発電の主力となってきた大きな理由は、昼夜の時間帯や季節の変動による電力消費の増減に安定した対応ができ、また発電コストがリーズナブルだったからです。今後も、私たちは火力発電による電力を使用していくことになるでしょう。だからこそ火力発電には、CO2(二酸化炭素)の排出量削減という社会的要請に応え、さらに資源の有効利用のためにもより効率よく電気をつくる「高効率化」が求められるようになってきました。

こうした社会の期待に応える一つの回答がガスタービン複合発電(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)です。GTCCとは、まずは天然ガスなどを原料にガスタービンで一回目の発電を行い、次にその排熱を使って蒸気をつくり、蒸気タービンで二回目の発電をするという仕組み。従来は排気されていたガスタービンの排熱を再利用するという効率的な発電プラントです。
実際にガスタービン、蒸気タービンそれぞれ単体の発電の熱効率は40%程度ですが、複合させることで50%以上の高効率な発電が可能になります。三菱重工のGTCCでは、世界最高水準の約59%の発電効率を達成しています。また発電時に排出される二酸化炭素や大気汚染の原因物質も低く抑えることができます。

1,600℃級の燃焼ガスで回る三菱重工の「J形ガスタービン」

三菱重工はGTCCプラントの開発、設計、製作から工事、試運転、アフターサービスに至るまでのすべてを自主技術で行える、国内唯一の企業です。
なかでも、現在開発中の最新の「J形タービン」は、タービン入口温度が1,600℃級で世界最大容量•最高効率を誇ります。この「J形」は、1,500℃級G形に比べ100℃の温度上昇に耐えられるよう、遮熱コーティ ング技術と冷却技術を改善。さらに三次元設計による改良型翼の採用等により、複合火力全体での発電端熱効率は現状において世界最高レベルの60%以上(低位発熱量)に到達しました。また、単機出力では従来の最大容量機であるG形を使ったGTCCの1.2倍に達する一方で、窒素酸化物(NOx)の発生は従来と同等レベルに抑えられており、総合的に環境性能の向上も果たしています。

現在、三菱重工では最新機種のJ形を上回る62%超(低位発熱量)の発電効率を目指し、さらにタービン入口温度を100℃向上させた1,700℃級ガスタービンの実用化に向けた国家プロジェクトに参画。より高温•高効率なガスタービンの研究開発に取り組んでいます。

石炭ガス化複合発電(IGCC)とは

写真:IGCC実証機外観

石炭による火力発電は、世界のエネルギー需要の約25%を担うなど、今も主要なエネルギー資源として利用されています。かつては石油依存度の高かった日本でも、近年は火力発電の原料として使用される石炭の比率が世界と同水準まで上がりました。石炭は化石燃料の中で最も経済性と供給の安定性に優れ、埋蔵量が石油の約3倍あることが、再評価された背景にあると言えるでしょう。

ところが、石炭による火力発電は、CO2や大気汚染原因物質であるNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)を排出するという課題があります。そこで、次世代超々臨界圧プラント(A-USC:Advanced Ultra Super Critical)などとともに、この問題を緩和できる存在として登場したのが、石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)です。IGCCは、固体である石炭をガス化することでガスタービンで発電し、その廃熱でさらに蒸気タービンで発電する、高効率な複合発電を行うことでCO2等の排出を抑制。従来の火力発電では利用に課題があった低品位の石炭活用も容易になることから資源の有効活用の面でも高く評価される技術です。
三菱重工のIGCCは、発電用として送電端効率が高い空気吹きガス化技術を世界で初めて成功した純国産技術に基づくもので、既存の超々臨界圧微粉炭火力に比べ効率が10~20%向上するなど、経済性をさらに向上させています。

CO2回収装置(CCS)とは

IGCCにより石炭火力による発電効率は向上し、CO2の抑制に一定の効果をもたらします。また、貯留に関する慎重な検討が必要ですが、CO2を回収するCO2回収•貯留(CCS:Carbon dioxide Capture and Storage)技術を組み合わせることで、いっそうのCO2排出を抑えることが可能になります。
石炭火力のCO2回収方式としては、石炭燃焼排ガスからCO2を回収するポストコンバッション方式と、燃焼前の燃料ガスからCO2を回収するプレコンバッション方式があります。IGCCは燃焼前の加圧時にCO2が高濃度になり、少ない処理ガス量で効率的にCO2を回収できます。

また、CO2の貯留方法としては、地中の石炭層や帯水層•油田等に貯留する地中隔離や、海底に貯留あるいは海洋に溶解•希釈する海洋隔離などが検討されています。 三菱重工は、ポストコンバッション方式では世界の5プラントへCCSを納入した実績を持ち、プレコンバッション方式ではオーストラリアのZeroGen社が進めるCCS機能を備えたIGCC設備の建設プロジェクトに参画することで合意しています。

ガスタービン複合発電(GTCC)&石炭ガス化複合発電(IGCC)の今後

前述のオーストラリアのプロジェクトは、CCS機能を備えた商業レベルのIGCC発電所建設としては世界で初めてのものです。三菱重工が担う予定なのは、CO2回収•貯留機能を含めたIGCC設備の製作•供給•建設全般。発電出力は530メガワットで、2015年の運転開始を目指しています。
またGTCCに関しても、20%以上のCO2削減が可能となり、70%以上の送電端発電効率として(低位発熱量)が期待できる、燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)+ガスタービン+蒸気タービンの複合発電システムの開発に取り組んでいます。

参考文献

(1)電気事業連合会「エネルギーの基礎」
http://www.fepc.or.jp/library/publication/pamphlet/pdf/enekiso08_09.pdf

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。