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風力発電

風力発電とは

写真:風力発電用風車

風力発電は、風の力で羽根を回してCO2(二酸化炭素)を発生させずに発電する仕組みです。風車の形態にはいくつかありますが、大型発電用は水平軸の三枚翼が主流で、風のエネルギーの約40%を電気として取り出すことができます。

風力発電には、次の4つの利点があります。

  1. 環境に良い。有害な排気を出さない。
  2. 石油や天然ガスを使わない。
  3. 風は“国産資源”で“無くならない”。
  4. 産業や雇用の創出にも役立つ。(注)

(注)風車は多数の部品を組み合わせて作る機械であり、また施工や維持管理でも人手が必要になります。
そのため、国内産業の雇用の創出する役割として期待されています。

その一方で、風の速さや向きの変化によって発電量が増減し、出力が一定しないという課題もあります。
発電量の増減に対処するために、なるべく広い範囲に多くの風車を建てることで、出力変動を平準化することができます。それでも不足する場合は、火力や水力発電で補い調整します。また近年では、天気予報に基づいた発電量の予測技術や、変動する出力を需要側で吸収する技術なども開発されています。

もう一つの課題として、風力のエネルギー密度は薄いため、大電力を得るには風の強い広大な場所が必要になるということがあります。
アメリカや中国の広大な平原をはじめ、ヨーロッパの北海やバルト海には、何千台も大型風車が建てられており、大型火力発電所並の電気を生み出しています。
このように風力発電は、その弱点を補いながら上手く工夫をして活用されています。

世界中で急速に導入がすすむ風力発電

世界では風力発電は既に普通の発電設備の一つになっています。 2009年末には世界中で158ギガワット(100万キロワットの大型原発158基分)•約15万台の風車が回っています。これは世界の発電設備の約3%に相当し、電力の約1.7%を供給しています。
ここ10年の成長率は平均28%(10年で12倍)とめざましく、2009年には約37ギガワット•約2万台の風車が新たに建設されました。これは世界の新設電源の10%以上(欧米では40%以上)に相当します。

国別では、アメリカ、ドイツ、中国、スペイン、インドの上位5カ国で世界の74%になります。特に2009年新規導入分では、中国が13ギガワット、アメリカが10ギガワットと両国だけで世界の61%を占めました。
日本の導入量は累積で2ギガワットと、世界の1.3%(13位)にとどまっています。これは、山がちで狭い国土、台風や雷、都市部中心の枝状の送電網、などの日本独特の事情が影響しています。
一方、日本の風力発電ポテンシャルは、陸上65ギガワット、洋上68ギガワットの合計133ギガワットと推算されており、大きな発展の余地が残されています。

図:世界の風力発電の導入状況

世界の風力発電の導入状況
(2009年末累計で158ギガワット 1ギガワット=100万キロワット)
(出典)GWEC

図:世界の風力発電の累計導入量

(出典)GWEC

年間600万トンのCO2削減に匹敵する三菱重工の風車納入実績

三菱重工は日本を代表する老舗の風車メーカーです。1980年に出力40キロワットの初号機を自主開発してから2009年末までに、世界10カ国に3.3ギガワット•3,705基の風車を納めています。その発電量は年間約80億キロワット時で、約180万世帯分の電気をまかなえます。火力発電の石油の節約量に直すと年間約170万トン、CO2削減量は年間約600万トンと、地球環境保護に大きく貢献しています。

発電量増加とコスト低減のために風車はどんどん大型化しています。三菱重工は1999年に1,000キロワット、2003年に2,000キロワット、2006年には2,400キロワットで直径が92メートルの風車を開発しました。2007年には直径を95メートルまで拡大し、次は陸上用では世界最大の100メートル以上を狙っています。
また洋上用では、さらに大きな5,000キロワット級超大型風車の開発も進めています。

脚光を浴びる洋上風車

図:洋上風車のイメージ

障害物のない洋上は、安定した強風が吹き、面積も広いため、風力発電の好適地として注目されています。1990年にスウェーデンで最初の洋上風車が建ってから20年が過ぎ、ヨーロッパでは洋上風力発電の導入累計が2ギガワットを越え、実用化の時代を迎えました。
2002年のデンマークのHorns Rev を手本に、イギリスとドイツが北海とバルト海で数十ギガワット•数兆円規模の洋上風力を開始しました。オランダやベルギーもそれに続いています。

洋上風力発電には、

  1. 建設コスト高 → 風車の超大型化
  2. 保守のアクセス難 → 機器の信頼性向上
  3. 洋上での据付 → 特殊工法•建設専用船

などの技術課題があります。その解決には、風車と鉄鋼構造物と建設用特殊船舶などの複数の異なる分野の技術を総合的に融合する必要があります。
三菱重工は、風車だけではなく、長大橋や石油掘削リグ、各種特殊船舶などのメーカーでもあります。長年にわたって蓄積してきたさまざまな技術を、洋上風力発電のプロジェクトに活かすべく、検討を重ねているところです。

参考文献

(1)新エネルギー財団 もっと知りたい身近な新エネ/風力発電
http://www.nef.or.jp/windpower/index.html
(2)資源エネルギー庁 新エネルギー政策について 風力発電
http://www.enecho.meti.go.jp/energy/newenergy/newene03.htm
(3)NEDO技術開発機構 新エネルギー:技術解説:よくわかる!技術解説 風力発電
http://app2.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/neg/neg03/index.html
(4)NEDO技術開発機構 日本における風力発電の状況
http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/state/1-01.html

(注)2010年3月末時点での掲載内容を参考にしております。そのため、記載されているURLまたはその内容が変更されている可能性があります。