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空調機器のフィルター技術を応用した高性能マスクを開発
世界初、酵素と尿素の力でウイルスやアレル物質の働きを抑制

発行 第 4872号
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 三菱重工業は、世界で初めてタンパク質分解酵素と尿素を織り込んだ、当社独自の「バイオクリアフィルタ」を利用して、ウイルスや花粉などのアレル物質の働きを抑制できる、高性能マスク「バイオクリアマスク」を開発した。当社の空調機器に採用している独自のフィルター技術を応用したもので、インフルエンザや花粉症の予防に大きな効果が期待できる。今後、商品化に向けたモニタリングに着手し、既存の高機能マスクを凌ぐ“携帯空気清浄機”の愛称で市場を開拓する。

【バイオクリアマスク装着写真】
 同マスク最大の特長であるバイオクリアフィルタは、2006年から当社の家庭用エアコンに搭載され定評がある。酵素とともに、化粧品や医薬品などで幅広く使われている尿素をフィルターに織り込むことにより、アレル物質や各種ウイルスを変性させ、活動を抑える。
 具体的には、バイオクリアフィルタ上に捕集したウイルスやアレル物質のタンパク皮膜(エンベロープ膜)の高次構造を、尿素で一時的に緩めて変性状態とし、さらに酵素によって、変性状態のタンパク質を、切断、低分子化することでウイルスやアレル物質の活動を衰えさせる。この仕組みがフィルター内にウイルスなどを捕集するだけのマスクとは異なる。

 マスク本体は4層構造で、手術室などの医療現場で使われている捕集率が高いサージカルマスクに、バイオクリアフィルタ機能を付加したかたち。捕集した細菌などがマスク内で増殖、再飛散するといった危険性を、バイオクリアフィルタで抑制できるようにした。
 また、この尿素と酵素を加工したフィルターは、ヒトの呼気の温度と湿度で最も効率よく働くよう設計されている。

 モニタリングは社内を中心に、今年度一杯実施する計画。並行して社外から問い合わせや引き合いがあれば、試作品を提供して市場調査も進めていく。
 2010年2月16日(火)~19日(金)に東京ビッグサイトで開催される「HVAC&R JAPAN 2010 冷凍・空調・暖房展」にも出品。来場者へのサンプル配布も予定している。

 新型インフルエンザが世界的に流行しており、その予防対策および通常のインフルエンザや風邪、花粉症への備えとして、日本でも高機能マスクに対する関心・需要が高まっている。当社ではこの機会を捉え、自社が誇るバイオクリアフィルタ技術を一層広くアピールできるバイオクリアマスクの商品化に力を注ぐとともに、同技術と他業種・他製品とのコラボレーションなど、新しい可能性の追求にも積極的に取り組んでいく。

【バイオクリアマスク パッケージ写真】

 バイオクリアマスク パッケージ写真


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