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US-APWR原子力発電プラント3基目が採用内定
米ドミニオン社のノースアナ発電所(ヴァージニア州)3号機向けに

発行 第 4937号
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 三菱重工業の170万kW級加圧水型(PWR)原子力発電プラントUS-APWRが、米国の電力会社ドミニオン社(Dominion Resources, Inc.)がヴァージニア州に建設計画中のノースアナ(North Anna)発電所3号機向けに採用内定した。同社は今後、同3号機の建設に向け、ヴァージニア州政府の合意を取得するとともに、当社との正式契約の締結に向けて交渉を行っていくことになる。US-APWRの採用は、米ルミナント社のコマンチェピーク発電所向けの2基に次いで、今回で3基目となる。

 ノースアナ発電所3号機は、ヴァージニア州都リッチモンド北方のアナ湖(Lake Anna)北岸部に立地し、既設原子力発電設備であるノースアナ発電所1、2号機に隣接して建設される。
 同社は今回の炉型選定に当たり、複数の炉型に対する技術評価を実施。当社は、100%出資の現地法人Mitsubishi Nuclear Energy Systems, Inc.(MNES、本社ヴァージニア州アーリントン)を通じてUS-APWRを提案、今回の採用内定となった。三菱商事もこのプロジェクトを支援する。

 今回の内定は、US-APWRで採用されている技術の実証された高い安全性・信頼性、さらには、当社が日本国内で持つ24基のPWR建設・運転実績、海外への原子炉容器、蒸気発生器などのコンポーネント輸出の実績、きめ細かなメンテナンス対応などが高く評価されたことによる。また、ルミナント社が2007年にUS-APWRの採用を内定し、プロジェクトが順調に進んでいることに加え、日米原子力共同行動計画が合意され、日米政府間で新規原子力プラント建設支援に向けた政策協調がはかられるなど、日本政府の支援も追い風となった。

 US-APWRは、日本原子力発電株式会社の敦賀発電所3、4号機向けに建設準備中のAPWR(出力153万8,000kW)をベースに、米国の顧客ニーズを反映させた世界最大級の最新鋭PWR。世界最高レベルの熱効率やプラント建屋容積の約20%削減を実現したほか、24ヵ月連続運転を実現するなど、大幅な経済性向上を可能にしている。

 ドミニオン社はリッチモンドに本社を置き、ヴァージニア州を中心に、ノースカロライナ州その他の周辺地域にエネルギーを供給している全米屈指の原子力発電事業会社でもあり、現在、PWR7基を保有している。当社にとっては、米国原子力発電市場への本格参入を果たすきっかけとなった顧客であり、これまでに上部原子炉容器と制御棒駆動装置を納入した実績がある。

 米国では地球温暖化防止、原油価格上昇などを背景に原子力発電の重要性が高まり、高経年プラントの代替需要とも相まって、2030年頃までに新設プラント数十基の需要が見込まれている。当社は今回の採用内定を弾みに、原子力発電設備の新設計画を持つ全米の電力会社に対し、さらに積極的なUS-APWRの営業活動を展開していく。

 


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