Press Information

温暖化防止に大きく貢献するコンテナ船「MALS-14000CS」の概念設計を完了
空気潤滑システムなどによりCO2を35%削減

発行 第 4987号
Print

 三菱重工業は、地球温暖化防止に大きく貢献する新しいNew Panamax型※コンテナ船の概念設計を完了した。空気を船底に送り込み、泡の力で船舶と海水の摩擦抵抗を低減させる独自の「三菱空気潤滑システム(MALS:Mitsubishi Air Lubrication System)」を核に、最新鋭の高効率な船型や推進機関などを採用して、従来船型に比べCO2の排出量を35%削減する。

【三菱空気潤滑システム(MALS)搭載大型コンテナ船】
 新コンテナ船の呼称は「MALS-14000CS」で、MALSを搭載したコンテナ積載量1万4,000個(20フィートコンテナ換算)のコンテナ船(Container Ship)を表している。
 当社はMALSを日本郵船グループの日之出郵船株式会社運航のモジュール運搬船「YAMATAI」に初めて搭載し、約10%のCO2削減効果を見込んで実船検証中であるが、今回の14000CSへの搭載は、このMALS技術展開の第2弾となる。

 CO2の削減効果は、MALS搭載により従来船型に対し10%を削減。また、新たに開発した抵抗の少ない高性能な船型に、船橋の前方配置、煙突の船尾配置、居住区下部へのコンテナ積載スペースの配置を考慮し、積載コンテナ数を増加させ、加えて新2機2軸推進装置を採用することにより24%削減した。 さらに電子制御機関や排熱回収装置の組み合わせにより5%を削減。この結果、最終的には船全体で35%のCO2排出削減を達成している。
 また、排気ガス中の硫黄酸化物(SOx)対策装置やバラスト排水処理装置も搭載し、環境対策を重視した設計としている。

 現在、国際海上輸送においても地球温暖化抑制への取り組みが強く求められており、国際海事機関(IMO)でもCO2排出抑制に向けた条約作りが進められている。
 こうしたなか開発したMALS-14000CSは、効果と実現性を兼ね備えたCO2削減技術を結集することで温暖化防止に大きく貢献する製品となっている。 当社は今後とも、CO2削減ニーズに適合した船舶の開発を事業の重要課題と位置付け、船舶および主要な舶用機器を手掛ける当社の高度な省エネ・環境技術を統合し、エコシップの開発とすそ野拡大に力を注いでいく。

※ New Panamax型 = 2014年に拡張工事の完了が予定されているパナマ運河を通過できる最大船型であり、主寸法は長さ366.0 m、幅48.8 m、喫水15.2 m。従来のPanamax型は長さ295.0 m、幅32.2 m、喫水12.0 m。

mission_net_zero

三菱重工グループについて

三菱重工グループは、エンジニアリングとものづくりのグローバルリーダーとして、 1884年の創立以来、 社会課題に真摯に向き合い、人々の暮らしを支えてきました。
長い歴史の中で培われた高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現 に向けたエナジートランジション、 社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野 の発展に取り組み、 人々の豊かな暮らしを実現します。

詳しくは: