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米国ジョージア州のガスタービン燃焼器工場が本格稼働
為替リスクを回避し、米国GTCC市場での受注拡大を目指す

発行 第 5068号
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 三菱重工業が米国ジョージア州サバンナに建設していたガスタービンの燃焼器工場が竣工し、11日(現地時間)、本格生産を開始した。同じ敷地内で建設が進んでいるガスタービン・蒸気タービンのローター・サービス工場やガスタービン組立工場などの先陣を切って操業を始めたもので、これにより、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)の需要の急拡大が予想される北米で、為替の変動を回避しつつ原動機事業の一層の拡大をはかっていく。

【MPSAサバンナ工場】
 現地では同日、これを記念して「米国サバンナ工場の開所式」が開催された。式典には、ケーシー・ケイグル(Casey Cagle)ジョージア州副知事をはじめとする地元関係者多数、花谷卓治在アトランタ日本国総領事などの領事館関係者のほか、当社から大宮英明社長、和仁正文常務執行役員原動機事業本部長らが出席した。

 燃焼器工場をはじめとする一連のサバンナ工場は、当社原動機事業の米国拠点であるMitsubishi Power Systems Americas, Inc.(MPSA、本社フロリダ州)が運営するもの。敷地は約40万m2で、燃焼器工場の建屋面積は約13,000m2。 稼働した燃焼器工場は、当社のガスタービン主力製造拠点である高砂製作所(兵庫県高砂市)と同様の専用ラインを装備し、溶接組み立てから加工、コーティングまでの一貫生産を行う。

 敷地内には、2010年4月着工のローター・サービス工場や、2011年4月着工のガスタービン本体組立工場の建設が続けられており、さらに、ガスタービンの中核部品であるローター加工工場の建設も計画されている。当社はこれら一連の投資により、ガスタービン、蒸気タービンの中核部品の製造や、本体の組立、さらには、ローターをはじめとする大物部品の補修・改良まで、幅広い生産・サービス体制を段階的に整備していく方針で、拡大する北米市場でのプレゼンス向上を目指していく。

 米国では、老朽化した石炭焚き火力発電所に代わる新たな電源の確保が広く必要となっている。これに、同国に大量に存在するシェールガスの採掘技術が向上したことに伴う天然ガス価格の低位安定化という事情も加わって、GTCCへの関心が急速に高まっている。サバンナ工場の立ち上げは、これら米国の市場動向を睨んだもの。

 GTCC発電設備は、ガスタービンにより発電を行い、その排熱を利用して蒸気タービンでも発電する方式。エネルギーの有効利用とCO2の排出削減が可能で、省エネルギーだけでなく、環境保全にも大きく貢献する。

 当社はガスタービン発電設備の世界シェア30%超を目指しているが、サバンナ工場の建設・整備もその目標達成の一環であり、ガスタービンの米国生産拠点の確立により、北・中南米はもちろん全世界で、エネルギーの有効利用と環境負荷の低減に役立つ天然ガス焚きGTCC発電設備の受注活動をさらに積極的に展開していく。

  開所式のセレモニーでスピーチする大宮英明三菱重工業社長
【開所式のセレモニーでスピーチする大宮英明三菱重工業社長】

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Tags: 火力,北米,パワードメイン
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