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次世代LNG運搬船「サヤリンゴSTaGE」船型を2隻受注
中部電力が商船三井、日本郵船それぞれと設立した合弁2社向けに

発行 第 5680号
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 三菱重工業は、次世代LNG(液化天然ガス)運搬船「サヤリンゴSTaGE」を、中部電力株式会社が株式会社商船三井および日本郵船株式会社のそれぞれと折半出資にて設立した2社向けに受注しました。船体構造の効率化やハイブリッド推進システムの採用などにより、LNG搭載量や燃費性能を大幅に向上させた最新の船型です。完成・引き渡しは2018年の予定で、いずれも主に中部電力が参画する米国のフリーポート(Freeport)LNGプロジェクト※1に投入され、北米産シェールガスの輸送に携わることとなります。

次世代LNG運搬船「サヤリンゴ STaGE」
 2隻は、今治造船株式会社との合弁会社である株式会社MI LNGカンパニーを通じて受注したもので、長崎造船所で建造します。長さ297.5m、幅48.94m、深さ27.0m、喫水11.5m、タンク総容積18万m3で、リンゴ形状のMOSS方式※2球形タンクを4基搭載。タンクを船体と一体構造のタンクカバーで覆うことにより、船全体の強度を確保しながら軽量化を実現し、さらに航行中の風圧による抵抗も軽減しています。また、2016年前半にも運用開始が見込まれる新パナマ運河の通航が可能な船幅におさめたうえで、LNG搭載量を効率的に増加させました。

 推進機関には、蒸気タービンとガス焚き可能なエンジンを組み合わせたハイブリッド2軸方式STaGE(Steam Turbine and Gas Engines)を採用。エンジンの排熱を蒸気タービンで有効利用することでプラント効率が大幅に改善され、低速域から高速域まで高効率運航が可能となります。

 近年、発電用燃料としてのLNGに対する需要が、国内はもとより世界的に増大しています。また、米国のシェール革命により北米産LNGの世界市場におけるシェア拡大が中長期で見込まれ、LNGの輸送距離も伸びる傾向にあります。
 当社は本年1月、初の北米産シェール由来LNG輸送用として、次世代LNG運搬船を2隻受注。その後も4月に2隻を受注するなど、順調に受注実績を伸ばしています。今回の受注はこれらに次ぐものです。

 当社は、10月1日付で発足させる船舶建造事業会社に長崎地区大型商船の建造を移管し、得意船種であるガス運搬船の建造に集中する体制に移行します。次世代LNG運搬船については連続建造による生産合理化を通じて、品質およびコスト競争力を追求していきます。

※1 フリーポートLNGプロジェクトは、米国のフリーポートLNGデベロップメント社がテキサス州のフリーポートLNG基地
  に、米国内で産出されるシェールガスをはじめとする天然ガスを受け入れて精製・液化し、年間最大1,320万トンの
  LNGを生産するもので、稼働開始は2018年ごろの予定。
※2 自立球形タンクを円筒形の支持構造(スカート)で船体に固定する方式。


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