南アフリカプロジェクトに関する日立製作所への請求について

当社及び株式会社日立製作所(以下、「日立」といいます。)は、平成26年2月1日(以下「分割効力発生日」といいます。)に両社の火力発電システムを主体とする事業を、当社の連結子会社である三菱日立パワーシステムズ株式会社(以下、「MHPS」といいます。)に分社型吸収分割により承継させ、事業統合を行いました。

上記事業統合の一環として、南アフリカ共和国における日立の連結子会社であるHitachi Power Africa Proprietary Limited(以下、「HPA」といいます。)等が平成19年に受注したMedupi 及びKusile 両火力発電所向けボイラ建設プロジェクト(以下、「南アPJ」といいます。)に関する資産・負債並びに顧客等との契約上の地位及びこれに基づく権利・義務を、HPA から当社の連結子会社であるMitsubishi Hitachi Power Systems Africa Proprietary Limited(以下、「MHPS アフリカ」といいます。)が譲渡を受けました(以下、「南ア資産譲渡」といいます。)。

南ア資産譲渡に係る契約については、当社は契約締結の時点で既に大きな損失が発生する見込みを認識し、その旨を日立に表明しておりました。そのため、同契約においては、分割効力発生日より前の事象に起因する偶発債務及び同日時点において既に発生済みの請求権につき日立及びHPA が責任を持ち、分割効力発生日以降の事業遂行につきMHPS 及びMHPS アフリカが責任を持つことを前提に、分割効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行い、それに基づき最終譲渡価格を決定し、暫定価格との差額を調整する旨を合意しております。

その後、当社と日立は、事業統合の精神を尊重しつつ、正確かつ丁寧に議論を重ね、プロジェクト工程と収支見積の精緻化の作業を進めてまいりました。現時点において、日立との間で南ア資産譲渡の譲渡価格に関する調整は完了しておりませんが、南アPJ は分割効力発生日時点において既に損失が見込まれたプロジェクトであり、MHPS アフリカは、法的に保証された契約に基づき算定される譲渡価格調整金等を日立またはHPA から受領する正当な権利を有するものであります。また、分割効力発生日直前のHPAの貸借対照表には、その時点で既に見込まれていたと当社が考える損失見込額が反映されていないと判断しており、現時点で同貸借対照表について未合意の状況です。

平成28年3月31 日、当社は、日立に対して、当該譲渡価格調整金等の一部として48,200 百万南アフリカランド(1ランド=7.87 円換算で約3,790 億円)をMHPS アフリカに支払うように請求し(以下、「一部請求」といいます。)、また日立向け当該請求権の一部を流動資産の「その他」に計上しています。

その後、平成29年1月31日に、当社は日立に対し上記一部請求を含む譲渡価格調整金等として89,700百万南アフリカランド(1ランド=8.51円換算で約7,634億円)を請求しました(以下、「今回請求」といいます。)。今回請求は、南ア資産譲渡に係る契約に従い、分割効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行った結果に基づき計算されたものです。従って、分割効力発生日以降のMHPSアフリカの収支見積に基づく一部請求と今回請求とは性格を異にするものであり、その差額は、分割効力発生日以降の南アPJの収支見通しの悪化を意味するものではありません。また、当社の貸借対照表に計上した流動資産の金額の増加を意味するものではありません。

本請求は、法的に保証された契約合意に基づく正当な権利の行使であり、今後も日立との協議を継続してまいります。