三菱重工技報
    Vol. 54 No. 1 (2017)   M-FET特集
    技術展望

    物流システムのソリューション展開

    -モノ売りから仕組み売りへ,自動化から無人化へ-

    Development of Solution to Logistics System
    - Change from equipment sales to system sales, Change from automatic system to unattended system -

    岡田清高
    Kiyotaka Okada
    岡田清高

    少子高齢化は急激な社会変化を日本全体にもたらしつつある。物流業界においても少子高齢化による労働力不足は大きな課題である。コンピュータを中心とした第三次産業革命以来,自動化技術は日々進歩してきたが,人の作業の部分的な自動化の域を出ず,効率化の追求手段としては一定の役割を果たしているが,不足した労働力を補うまでにはなっていない。自動で動く"モノ"の進歩には著しい発展がみられるが,これを"仕組み"として商品化するにはまだまだ大きな課題がある。人との共存を意識した自動化は社会に受け入れられてきたが,人を介在させない無人化は,まだまだ社会に認知されていないように思える。これらの社会要求に応えるべく,物流機器メーカー("モノ"売り)から物流システムインテグレーター("仕組み"売り)へ舵を切り始めたニチユ三菱フォークリフト(株)(以下,当社)の物流ソリューションを紹介する。物流ソリューションとは,モノの移動を時間的,空間的,物理的な観点からトータルに把握し,各種情報とともに全ての工程を,効率化·省人化,省エネルギー化,省スペース化,時間短縮等を総合的に実現するものと考えている。広義には,陸·海·空の輸送(線)と工場,倉庫内物流(点)をそれぞれ部分最適に構築し,それらを有機的に結合させ全体最適な物流を実現するものではあるが,当社の取組みとしては手始めに工場,倉庫内物流に特化した物流ソリューションを展開していく。