三菱重工技報
    Vol. 57 No. 1 (2020)   新製品·新技術特集
    技術論文

    再生可能エネルギー時代の高効率電力レジリエンス蓄熱システム

    High Efficiency Thermal Storage System for Power Resilience in the Era of Renewable Energy

    山本健次郎
    Kenjiro Yamamoto
    堂本和宏
    Kazuhiro Domoto
    當房誠
    Makoto Tobo
    川水努
    Tsutomu Kawamizu
    山名崇裕
    Takahiro Yamana
    太田裕二
    Yuji Ota
    山本健次郎
    堂本和宏
    當房誠
    川水努
    山名崇裕
    太田裕二

    再生可能エネルギー伸長に呼応した電力レジリエンス機能(調整力·予備力)の向上策として,蓄熱システムを火力発電所のタービンバイパス系統他に組み込んで,停止·起動時や極低負荷運転時のボイラ余剰熱(廃熱)を蓄熱して高負荷運転時の発電に利用すれば,約2%以上の省エネルギー効果が得られる。PCM(Phase Change Material:固液間の融解·凝固の相変化を利用)の大きな潜熱の活用,あるいは溶融塩や水といった顕熱蓄熱材の蓄熱時の温度差を大きくすることで蓄熱装置のコンパクト化を図ることができ,発電所構内への設置が可能となる。本システムを蓄電システムと同等な価格で実現すべく開発·実用化を推進中である。