三菱重工技報
    Vol. 61 No. 1 (2024)   新製品·新技術特集
    技術論文

    メゾスケール材料モデルを適用した複合材の高精度成形性予測技術

    High-precision Forming Simulation for Composite Material Using Mesoscale Material Model

    野間一希
    Kazuki Noma
    新藤健太郎
    Kentaro Shindo
    野間一希
    新藤健太郎

    航空機を中心に適用が進められているNon-Crimp Fabric(NCF)等の炭素繊維基材を製品形状に成形する際に,製品形状が複雑な場合は繊維のしわ等の欠陥が発生する。一般的に,成形条件の適正化により品質の改善が図られるが,品質向上には繊維基材自体の賦形性改善が有効である。三菱重工業株式会社では,メゾスケールの材料モデルを用いた成形解析により材料の微視的な変形挙動を予測し,材料構成を適正化する技術を開発している。本報では,NCFのメゾスケール材料モデルを構築し,せん断試験における繊維の変形挙動を評価した結果について述べる。