三菱重工技報
    Vol. 41 No. 1 (2004)   豊かな社会に貢献する新製品·新技術特集
    特集 技術論文

    高効率でCO2排出低減したミラーサイクルガスエンジン発電

    High Efficiency Miller Cycle Gas Engine Generator with Clean and Low CO2 Emission

    下田裕巳
    Hiromi Shimoda
    角濱義隆
    Yoshitaka Kakuhama
    野口知宏
    Tomohiro Noguchi
    遠藤浩之
    Hiroyuki Endo
    田中健吾
    Kengo Tanaka
    下田裕巳
    角濱義隆
    野口知宏
    遠藤浩之
    田中健吾

    クリーンエネルギーと呼ばれる天然ガスを燃料とするガスエンジンは,地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や酸性雨の原因となる硫黄酸化物(Sox),人体に有害な窒素酸化物(NOx)の排出が少なく,近年地球環境問題に対する優れた発電システムとして注目されている.
    このクリーンな 排 気 のガスエンジンに, 発電出力1000 kW 以下の中型クラスで世界で初めてリーンバーン(希薄燃焼)とミラーサイクルを適用することにより,世界最高レベルの発電効率40 %を達成した.これにより当社従来機種比 12 %の燃料消費量削減及び CO2排出低減が図れ,低CO2排出であるディーゼルエンジン発電に比べてもCO2の排出量は更に3/4になる.
    発電出力1000 kW以上の大型クラスのMACH-30Gガスエンジンと異なり,この中型クラスでは出力の大きさよりも効率が重視されるため,ミラーサイクルを適用してクラストップの発電効率を目指した.また当初から大阪ガス(株)と共同開発することで,お客様の使用環境·ニーズに適合するよう検証を重ね,商品力を高めてきた.