三菱重工技報
    Vol. 41 No. 1 (2004)   豊かな社会に貢献する新製品·新技術特集
    特集 技術論文

    世界最高効率インバータターボ冷凍機NART-Iシリーズ

    Highest-Efficiency in the World, Valuable Speed Drive Turbo Chiller NART-I Series

    関  亘
    Wataru Seki
    上田憲治
    Kenji Ueda
    田井東一馬
    Kazuma Taito
    白方芳典
    Yoshinori Shirakata
    古賀 淳
    Jun Koga
    関  亘
    上田憲治
    田井東一馬
    白方芳典
    古賀 淳

    ターボ冷凍機はビル空調,熱供給事業としての地域冷暖房,電子デバイスなどの工場空調,化学プラントのプロセス冷却など,さまざまな用途に適用されている熱源機で,遠心式圧縮機を用いて,350 kWから7 000 kW(最大35 000 kW)までの冷水を製造する装置である.当社製ターボ冷凍機の冷媒にはオゾン層破壊係数(ODP)がゼロのHFC-134aを使用しており,地球環境の保護にも注力するとともに社会的ニーズである省エネルギーのために,機器性能の向上を目指してきた.
    HFC134aを用いたターボ冷凍機は1994年に発売開始以降, 1998年ARSシリーズ,2000年NARTシリーズと開発を重ね, 20%以上の効率向上を達成した.NARTシリーズのCOP6.1(冷水出口温度7°C)は世界最高レベルであるが,お客様のニーズは年間を通しての高効率運転及び電力消費量の低減,すなわち通年での空調コストの削減であり,このニーズにこたえるため,運転効率向上を目指して2002年にインバータ駆動ターボ冷凍機を開発し,2003年1月市場投入した.